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快適な鶏舎環境について


 平成22年9月14日に信州大学で行われた日本家禽学会2010年秋季大会で、当社飼料・養鶏事業部主任今井昭文が以下の内容を講演致しました。

1.機械換気の重要性

 自然換気には温度差換気と風力換気があるが、温度差換気は内外温度差が大きいほど換気量が増加する方式であり、暑熱対策とは明らかに矛盾している。また、風力換気は 夏季は安定した換気量・風速が得られず、冬季は必要以上の換気が生じやすい。
 よって、開放鶏舎でも換気扇を用いて新鮮空気を強制的に導入することが望ましい。

2.防暑対策

 防暑対策とは、次の項目を実践して「鶏を涼しく感じさせる」事である。

(1)熱の侵入を防ぐ

   屋根や壁から侵入する熱量を抑えるため断熱材が最低30mmは必要である。また、 屋根の色をできる限り日射吸収率の小さい白色系にすることも効果がある。

屋根の平均熱貫流率

屋根の平均熱貫流率

(2)熱気を取り込まない

   コンクリートや屋根上の空気は、照り返しにより日陰よりも2〜3℃上昇しているため、入気口の位置には十分注意し、入気口の周辺に植樹や散水を実施する。

(3)強制換気により過剰な熱量を排除する

   暑熱時は、室温をできる限り外の気温に近づけるため、屋根・壁から侵入した熱や鶏自身から発生される熱を、換気により舎外へ排出する。
  ただし、必要以上に換気量が増えても室温はあまり変わらなくなるため、適度の 換気量を見極め、効率よく換気を行う必要がある。

換気量−舎内気温

換気量−舎内気温

(4)送風により鶏の体感温度を下げる

   適正な換気を行っても、室温は外気温より低くならない。次の対策として、送風により鶏の体感温度を降下させる(=鶏を涼しく感じさせる)必要がある。

(5)気化熱の利用

   細霧装置やクーリングパッドを使用した場合、舎内の湿度は上昇するが、鶏は湿度よりも温度の影響を受ける割合が大きいため、十分にその設置効果が期待できる。

3.防寒対策について

(1)鶏舎の断熱性能を高める

   屋根や壁からの熱損失を防ぐ。

(2)建物の気密性を高める

   特に、入気口の隙間や集卵コンベアー開口部等より流入する冷気を遮断する。

(3)換気量は抑えすぎない

   適温を維持するように風量を調整するが、その際に、決して舎内の二酸化炭素濃度やアンモニア濃度が高くなってはならない。

4.トンネル換気が普及した理由

(1)暑熱時にどの鶏にも安定した風速が得られる。


トンネル換気

クーリングパッド(入気)

換気扇(排気)

クーリングパッド(入気) 換気扇(排気)

最大換気時のケージ内風速(横断換気)

最大換気時のケージ内風速(横断換気)

最大換気時のケージ内風速(トンネル換気)

最大換気時のケージ内風速(トンネル換気)

比較検討(1)

横断換気

トンネル換気

比較検討、横断換気 比較検討、トンネル換気

(2)

モニター屋根やファンバンクを必要としないため建設費用を抑えることができ、かつ、害獣の侵入を防ぐことが容易。


(3)

換気扇が集中して設置されているため鶏舎から排気される粉塵の対策が可能。